国民的マンガ・アニメのドラえもんは、おそらく日本国民では知らない人はいないよね。1969年に初めてマンガ雑誌で連載されてからずっと何世代にもわたって人気だから、もう日本の文化の一部と言っても過言ではないかもね。
そんなドラえもんは、実はいろいろな造語や名言を残しているんだよ。
ドラえもんから生まれた造語
まずはドラえもんから生まれた言葉を紹介するよ。なぜかほとんどジャイアン絡みだね。
のび太・ジャイアン症候群
精神科医の司馬理英子さんが作った言葉だよ。ADHDの症状を分かりやすく説明するために、ADHDのタイプを「のび太型」と「ジャイアン型」2つに分けて説明しているね。
短気で怒りっぽいタイプのADHDの人を「ジャイアン型」、そして内気で自己主張ができないタイプの人を「のび太型」って当てはめているんだね。ADHDを広く知ってもらうのにいいたとえだってことで、たくさんのお医者さんに使われているよ。
でも、あくまで分かりやすく説明する方法ってだけで、正式な医学用語ではないから気を付けてね。
ジャイアン効果
ジャイアン効果は有名だから、知っている人も多いかもしれないね。普段のアニメの中では意地悪なのに、映画になると急に仲間を守りだして、いいヤツに見えてしまう現象だよ。普段ネガティブなイメージを持っているジャイアンが、いきなりポジティブなことをすることによって、生まれるギャップで印象を変えてしまうんだね。
この現象、実は「ゲイン・ロス効果」という正式な名前があるよ。ネガティブの後にポジティブが来たら、そのポジティブが割増しで良く見えてしまったり、逆にポジティブの後にネガティブが来たら、ネガティブが強調されたりしてしまうことだよ。
具体例では、不良の学生がゴミとか拾ってると必要以上に良い印象を受けたり、見た目がキレイな人が汚い言葉を使っていると余計にがっかりしてしまったり、という感じだね。
このジャイアン効果は、マーケティングや営業トークなんかでも巧みに利用されているから、みんなも気を付けてね!
プークスクス
笑い方を表す擬音語の1つだよ。特に、相手をバカにしたときに使うね。色々なマンガでもよく使われるし、インターネットの書き込みでもよく見かけるよ。
実は、この「プークスクス」という音が最初に使われたのは、ドラえもんのマンガの中なんだって。マンガの第16巻の「シンガーソングライター」というエピソードで、ドラえもんがジャイアンを笑うときに使われているよ。
ジャイアニズム
ジャイアンに「主義」という意味の「イズム」をくっつけた造語だね。普段のジャイアンの横暴なふるまいを指して、「自己中心的な行動・態度」という意味になるよ。
ジャイアニズムを象徴するセリフに、「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」「正しいのは、いつもおれだ」「この町で、おれにかなうものはいない。おれは王様だ」なんかがあるね。
でも、ジャイアンの「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」というセリフには、「お前の痛みは俺の物。だから、一緒に頑張るんだ」というちょっとカッコイイ意味もあって、ジャイアニズムは完全に悪いものではないんじゃないかという意見を持っている人もいるよ。
ドラえもんから生まれた面白言葉
ドラえもんの中には、面白くて記憶に残るセリフがたくさんあるよ。中にはかなり衝撃的で、脳裏に焼き付いて離れない言葉もあるから気を付けてね。
口きくのもめんどくさけりゃ、もう死んでしまえ。君にはあきれた。実にあきれた!
マンガの第18巻の「テレパしい」というエピソードにて、のび太がドラえもんに、「思っていることを口にすることなく伝えられる道具を出してほしい」と言ったときのドラえもんの返答だね。
あきれるのはかまわないけれど、「死んでしまえ」ってサラッと言ってしまっているのが面白いよね。幸い、のび太は気にしていなかった様子だったよ。
爆発させれば、その灰をかぶった人はみな、きみみたいに頭悪く弱くてずっこけて…
マンガ第26巻の「ビョードーばくだん」でのドラえもんのセリフだね。「生まれつきで能力が決まってしまうのは不公平だ」という不満に応えたドラえもんが、みんなの能力が平等になる道具を出したときに言ったんだね。
普通に悪口を言っているけれど、のび太も納得しちゃってるよ。
年に2、3回発作的に決心するんだよね。それがどれだけつづくかだけど。今までの最高が48分23秒。
マンガ第43巻「男は決心!」から、ドラえもんの皮肉たっぷりのセリフだね。「このままじゃいけない!生まれ変わるんだ!」と勉強を始めたのび太に対して、笑いながら放った言葉だよ。
いや、せっかく頑張ろうとしているのに水を差しちゃダメでしょ、と言いたくなるけれど、きっとドラえもんはこんな場面を何度も目撃しているんだろうね。
そりゃ、のび太の頭はもともとからっぽだもの。
マンガ第30巻「ねむりの天才のび太」でのシーンからだね。「ねむり方が分からない」というしずかちゃんの相談を受けたのび太が、「頭を空っぽにすれば眠れるよ、何でできないの?」と返答したんだね。
それに、対してドラえもんが冷たく放ったセリフだね。頭を空っぽにするのも難しいんだけどね。
きみが女の子につけまわされるなんて…、天地がひっくり返ってもありっこない。
マンガ第22巻の「ジャイ子の恋人=のび太」でのセリフだよ。のび太が誰かに付けられていることをドラえもんに話すと、ドラえもんは大笑いしながらこのセリフを放っているね。
のび太は真剣に相談しているのに、ドラえもんはネタにして笑うだけ、という切ない構図が出来上がっているね。
きみは年を取って死ぬまで、ろくなめにあわないのだ。
マンガの第1巻の、しかも第1話で、ドラえもんがのび太に向かって言い放ったショッキングなセリフだね。ドラえもんはそんなのび太を救うために未来からやってきたんだけど、それを知らないのび太は絶望の中、慌てふためいてしまっているよ。
たちの悪いセールスみたいな手口を使っているドラえもんが印象的だったね。
男は顔じゃないぞ!中みだぞ!!…もっとも、きみは中みもわるいけど…。
のび太が自分の顔が良くないことをドラえもんに相談したときに、ドラえもんがうっかり漏らした本音だね。「男は中身だ!」という持論を展開しようとしたけど、言っている途中で、のび太が中身もない絶望的な男だということに気が付いてしまった…という感じ。
気が付いても言っちゃダメだよね。
いえ、もっと汚いの。
落としたものをキレイなものに換えてくれる「きこりの泉」という道具を使っていたとき、ジャイアンが誤ってその泉に落ちちゃうんだ。そして、泉の女神がハンサムなジャイアンを持ってきて、「これですか?」と聞いたときのドラえもんの返答だね。
「汚い」っていう形容詞は、あまり人の容姿を説明するときには使わないほうがいいかもね。
モテない男が気やすめに使う、みじめな道具だけど、それでも使う?
「みせかけモテモテバッジ」という道具を出しながら、ドラえもんがのび太に言ったセリフだね。そもそも道具の名前に「みせかけ」って入っているし、ドラえもん自ら「みじめな道具」と言っているのにもかかわらず、のび太は「いいから!」とためらうことなく道具を使っているよ。
のび太の絶望的なまでに低い自己肯定感が分かるエピソードだったね。
こんなよわい者を、あわれな者を、おろかな者を…。
のび太をいじめたスネ夫たちに対して、怒りをあらわにするドラえもんが言ったセリフだよ。つい言ってしまったのか、悪意を持って行っているのかが区別できないよね。
のび太も「それはいいすぎじゃないか」と不満そうだったよ。
もっと走れ、へたくそ!それじゃアウトだよ、のろま!
野球をするのび太に対して、ドラえもんが興奮した様子で言ったセリフだね。勝ってほしいのは分かるけど、正直に言いすぎだよね。
野次を飛ばしているみたいになっちゃっているね。
のび太の脳みそは進化がおくれているらしい。
いつもののび太のポンコツなところを見て、ドラえもんが放った一言だね。確かに、それはみんな分かっていたことだけど、そんな冷静に言われてしまうと、さすがにのび太が可哀そうになってくるよね。
ドラえもんから生まれた名言
長く愛されるマンガやアニメって、面白いだけじゃなくて、感動したり考えさせられたりするシーンがあるものだよね、ドラえもんにもそんな名言がたくさんあるよ。
どっちも、自分が正しいと思ってるよ。戦争なんてそんなもんだよ。
マンガ第1巻の第8話「ご先祖さまがんばれ」で出てくる名言だね。先祖のために戦で手柄をもらおうとするのび太が「正しいほうを助けなくちゃ」と言ったところに、ドラえもんがサラッと呟いた一言だよ。
核心をついていると、ドラえもんファン以外にも話題になったよ。もっと多くの人がこのことを理解すれば、世界は変わるかもしれないね。
なやんでるひまに、ひとつでもやりなよ。
宿題からお手伝いと、やることがいっぱいで時間がないと頭を抱えるのび太に対しての、ドラえもんのアドバイスだね。この状態のび太みたいになってしまっている人は現実世界にもたくさんいるよね。
目の前に山積みにされた問題に目がくらんでしまい、身動きが取れなくなってしまっている状態だよ。でも、結局やるしかないのだから、行動はできるだけ早く起こしたほうが得なんだよね。
毎日の小さな努力のつみ重ねが、歴史を作っていくんだよ。
のび太が出木杉君に勝つために頑張っているところへ、ドラえもんが激励するために言った一言だよ。人間が1日でできることなんてたかが知れているよね。
だから、みんな1日を何となく過ごしてしまうけど、大きな目標を達成するにはそのたかが知れている1日を地道に積み上げていくしかないんだ。そんなことを教えてくれる名言だね。
いちばんいけないのは 自分なんかだめだと思いこむことだよ。
珍しくのび太が言った名言だよ。ドラえもんに好きな猫ができたんだけど、ドラえもんは「あの子は僕みたいにデブで風船みたいなヤツは嫌いに違いない」と弱気になってしまっていたんだ。
そこで、のび太がこのアドバイスを送ったんだね。自分でダメだと思い込むと、できることまでできなくなってしまうから怖いよね。無鉄砲は良くないけど、根拠のない自信って意外と大事だよね。
あきらめのいいところがぼくの長所なんだ。
一見、のび太のダメなところを表すセリフに聞こえるね。でも、「諦める」って実は結構大事なことなんだ。もちろん諦めないことで開く活路もあるけど、それに執着してしまうと、色々なことを見失ってしまうよね。
実はもっと素晴らしい道があったのに、最初に決めたことに対して頑固にしがみついてしまったから、見逃してしまうこともあるんだよ。なんでも投げ出すのは良くないけど、ちょっと立ち止まって方向転換を考えてみてもいいかもね。
のび太がそのことを分かっていたのかは分からないけど。
きみはかんちがいしてるんだ。道をえらぶということは、かならずしも歩きやすい安全な道をえらぶってことじゃないんだぞ。
ある日、自分が選んだ道によって、人生が大きく変わってしまうことに気が付いたのび太は、不安になって、ドラえもんにどの道を歩けばいいかを教えてくれる道具「コースチェッカー」を出してもらったんだね。コースチェッカーを使って、楽そうな道ばかりに進むのび太に、ドラえもんが放ったセリフだよ。
「楽と楽しいは対義語」という名言を聞いたことがあるかな。人生においても、必ずしも楽な道が正解というわけではないんだね。
のび太「生きてるのが嫌になった」/ドラえもん「いつものことじゃない」
ある日、弱音を吐いたのび太に、ドラえもんがそっぽを向いたまま即答した返事だね。
「いやいやドラえもん、ひどすぎない?」と思ってしまうけど、実はこれには「人生は辛いことのほうが多い。楽しいときが普通だと思うな」という教訓が込められているんではないか、とファンの間で考察されているんだ。
ドラえもんから学ぶことはたくさん
ドラえもんはただ面白いだけじゃなくて、学びにもなるし、たまに深いんだよ。大人になってもファンでいる人がたくさんいるのも納得だね。
造語を考えた人を詳しく知りたい方は、「この言葉って造語?有名人が広めた言葉集」をどうぞ。
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