誉め言葉から悪口まで!ペンギンとその他動物を使った造語まとめ

言語というものはずっと同じものを使っているように見えて、実は思っているよりは短いスパンで変化しているもの。文化や社会情勢の変化によって新しく作られる言葉や、逆に廃れていく言葉もあるよね。

また若者が、わざと大人たちに分からないように作る合言葉から、辞書に載るような言葉ができることもある!このような変化や造語の誕生は、言語の面白さとも言えるよね。

造語の中でも、動物を使った造語は昔からたくさんあるけど、その中でも特にペンギンを使った造語は独特で面白い物が多くあるよ。

目次

ペンギンを使った造語

ペンギンを使った造語には、面白いことに誉め言葉になるものと悪口になる物の両方があんだ。

ペンギン体型

ペンギン体型は体つきの特徴を表す造語だけど、2つの意味があるよ。1つはお腹周りがふくよかで、正面から見たときの体のラインがペンギンのようにまっすぐになる体系のこと。

コンプレックスに思っている人が多いのであまりいい意味では使われないね。ペンギンというカワイイ動物を使っているのも、悪口の感じを和らげるためだよ。

もう1つの意味が、体のゆがみ方の特徴のこと。胸が張りすぎて、背中がアーチ状に曲がり、骨盤が前傾になっている体型を、ペンギンのフォルムに例えてるんだ。

腹筋が弱かったり、ヒールを普段から履いていたりすると、ペンギン体型になりがちなんだよ。腰に負荷がかかる体系なので、ペンギン体型の人は意識して直したほうが良いね。

ファーストペンギン

ファーストペンギンは「チームの中で誰もやったことがのないことを進んで行う人」のことを差すよ。ペンギンが使われている理由は、ペンギンの習性にあるんだ。ペンギンは群れで暮らす生き物だけど、ほとんどの種類にリーダー制度がないんだ。

団体で動く時は、最初に行動を起こしたペンギンに群れ全体がついていくよ。そして群れのほとんどが誰かが行動を起こすまで待つんだ。特に危険が多い状況ではお互いがけん制し合って、誰も動こうとしないこともあるよ。

その状況で勇気をもって行動を起こせるペンギンのことを「ファーストペンギン」と呼ぶんだ。それがビジネスの世界で、新しいことに果敢にチャレンジする人、という意味で使われるようになったんだね。

セカンドペンギン

また、ファーストペンギンの後を追って行動を起こすペンギンを「セカンドペンギン」と呼ぶこともあるよ。セカンドペンギンは「二番煎じ」という嫌な意味で使われることもあるけど、「安全性重視」や「冷静に様子見をする人」という良い意味もあるんだ。

ファーストペンギンがいくら大きな行動を起こしても、それに続く人がいなければファーストペンギンは独りになっちゃうよね。ファーストペンギンが作った流れを続けるには、セカンドペンギンの存在は重要なんだ。

ペンギン走り

ペンギン走りは、走り方の癖をペンギンに例えた造語だよ。腕を前後に降るんじゃなくて、斜めや左右に振りながら走る走り方で、女の人に多くみられる特徴だね。スポーツの世界では「乱れたフォーム」って言われていて、コーチから怒られちゃう走り方だ。

しかしオリンピック選手の中にもペンギン走りで活躍している人もいるから、一概に悪い走り方とは言えないね。

でも最近では、そのぎこちなさがかわいいって言われていて、ぶりっ子のテクニックとしても使われているよ。男性に駆け寄るときなどに、腕を伸ばしやや斜めに振ることであどけなさを演出してやろうという算段だね。

ペンギン系女子/ペンギン系男子

人の見た目や性格をペンギンに比喩した「ペンギン系女子」「ペンギン系男子」という造語も存在するよ。ペンギン系女子・男子の特徴は、落ち着いていて、現実主義で、しっかり者であるということ。感情の起伏が少なく、いつも冷静な判断ができるという特徴を、ペンギンのクールなイメージに例えているんだ。

また、飛べないという欠点を補うために、水中での能力を進化させてきたそのペンギンの潔さやひたむきな所から、現実を受け入れ地道な努力ができる人、という意味もあるよ。

ペンギンとどれくらい関係があるのかは良く分からないけど、ペンギン系女子・男子は束縛が少なく、余裕があり、包容力があるって言われているね。

そのため、恋愛対象になりやすいことも特徴なんだ。長所を裏返した短所とかはあるけど、基本的に「ペンギン系女子」「ペンギン系男子」は誉め言葉と思っておいていいね。

ペンギンのくちばし

こちらの造語「ペンギンのくちばし」は塚越寛さんという経営者の方が、本人の著書「いい会社をつくりましょう」で綴ったたとえ話で用いられたものだよ。

ペンギンのくちばしには歯が無いよね。でも、魚をくわえるときに滑り落ちてしまうことはないんだ。実はペンギンのくちばしには、細かい毛が生えていて、その毛が全てキレイに内側に向いているから、獲物を逃すことがないんだ。

このことから塚越さんは「1本1本の毛の力は弱くても、みんなが同じ方向に向いていれば、もがく魚だってとらえることができる。会社も同じで、1人1人の力が弱くても、しっかり同じ方向を向けば大きな収穫を得ることができる」というたとえ話を作って、会社の経営理念に盛り込んでいるんだ。ペンギンの知られざる力を比喩表現として使った造語だね。

肯定ペンギン

「皇帝ペンギン」ではなく「肯定ペンギン」だね。肯定ペンギンはTwitterで有名になった、クリエイターの「るるてあ」さんによるキャラクターのこと。「月曜日は職場に就いた時点で満点!」「朝ごはん食べてえらい!」っていう風に、日常の些細なことを全力で褒めてくれるキャラクターなんだ。

あっという間に人気者になって、グッズを販売すれば即売り切れ、大手企業のイベントを開けば満員と、ちょっとした社会現象になっているね。

絶対に否定しないで、常にポジティブな言葉をかけてくれる肯定ペンギンは、いくら頑張ってもそれが当たり前だと一蹴され、褒めてもらえない現代の人たちの心をわしづかみにしたんだ。

肯定ペンギンファンの中には「勇気づけられた」「頑張れる」という人もたくさんいて、今では子供にまで人気が及んでいるよ。

ペンギン以外の動物を使った造語

いろいろな見た目や種類、習性を持った動物は、人間世界の物事を描写するのによく使われてきたんだ。ペンギン以外の動物を使った造語も、面白いものがいっぱいだよ。

ネコノミクス

2010年ごろから始まった猫ブームを、安倍元首相の「アベノミクス」になぞらえた造語だね。2018年度の調査では、日本の飼い猫の数は964万頭まで増えていて、犬の890万頭を上回ったんだ。

経済の面でも、2022年の調査では猫による経済効果はおよそ2兆円にまでなっているんだ。2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックの経済効果がおよそ6兆円だから、猫の経済的な影響力は、オリンピックの3分の1にもなるということだね。

2020年から始まったコロナショックの後も、猫の経済効果は弱まっていないんだ。そのうち正式な経済用語になる可能性もある、猫に関する造語だね。

犬系男子/犬系女子

犬の特徴を兼ね備えた人のことを「犬系男子」「犬系女子」と言ったりするよ。犬のように活発で人懐っこく、従順な性格をしていて、犬系男子は女の子の間で人気なんだ。

見た目にも一定の特徴があるよ。基本的に笑顔が多く、やわらかな表情をしている人が多いね。広角が上がって目じりが下がった、周りの人間に安心感を与える笑顔も犬系の特徴なんだ。性格面では、ウソをつくことが苦手で、責任感が強く、明るくポジティブという特徴があるよ。

猫系男子/猫系女子

犬系がいれば当然猫系もいるよ。猫っぽい特徴を持った人を差す造語で、気まぐれでマイペースな性格に加え、ゆるい雰囲気と、男性であればかわいらしい見た目が特徴かな。

普段そっけないけど、いきなり気まぐれに甘えてくることがあって、そのギャップが異性に好まれることが多いよ。ツンデレに近い性格かもしれないね。

あと、束縛するのもされるのも嫌うから、友達としての付き合いは楽だけど、恋愛関係になると、距離感の取り方に戸惑う人もいるかもしれないね。相手の自由を尊重しながらも、たまに猫じゃらしで遊んであげないとすねるっていう、若干面倒くさい性格の持ち主が多いから、猫系の人を彼氏・彼女にする際には心得ておこう。

小鳥系女子

女子力が高く、オシャレで、素直という男受けバツグンの女子は「小鳥系女子」と呼ばれることがあるよ。清楚ともピュアとも違う微妙なニュアンスがあるね。定義はあいまいだけど、若い世代に小鳥系女子と言えば、ほぼ全員がどのような女子のことを言っているのかが分かるので不思議だね。

一般的な考え方では、小鳥系女子の特徴は、華奢で子供っぽい見た目をしているということ。童顔な人が多く、実年齢よりも若く見られることがほとんどだね。性格も明るく好奇心旺盛な所があり、周りの人は一緒にいて楽しいと思えるんだ。

かわいらしいわりにあざとさは無く男女どちらからもかわいがられることが多いのも特徴だね。小鳥系女子の亜種に「ひよこ系女子」というものもあるよ。小鳥系女子の中でも、やや天然の気がある女子はひよこ系に分類されることが多いね。

ヘビ顔

ヘビ顔はそのまま、ヘビっぽい顔をした人のこと。切れ長で大きな目、大きな口、シャープなあごや鼻、色白な肌、細身などが見た目の特徴だよ。ミステリアスでとっつきにくい印象があるね。女性の場合、ショートヘアやエッジの利いたメイクなどが似合う人が多いね。

人相学上では、ヘビ顔の人は自分の世界を大事にする傾向があるみたい。意志が強く、自分のこだわりを曲げることを嫌って妥協をしないんだ。そのため、異性にモテる見た目なのに、恋愛関係は長続きしないという人が多いね。

昔からある動物関連の造語

ここまで、現代の造語を見てきたけど、動物を使った造語は昔からたくさん作られているんだ。現代の動物造語と、昔の動物造語を比べてみるのも面白いかもしれないね。

タヌキ親父

タヌキ親父は、ずるがしこい年配者のことを罵る意味で使う言葉だよ。悪口だね。タヌキは昔から人をだます動物として知られていたんだ。タヌキの愛らしい見た目とは裏腹に、心の中では何を企んでいるのか分からない、というイメージと重ね合わせてできた言葉がタヌキ親父だね。

タヌキ親父の代表ともなっている人物が徳川家康。家康は当時の侍のイメージとは程遠い、「卑怯者」や「薄情者」という性格をしていたらしい。

武田信玄と戦ったときには我先にと逃げ出し、豊臣秀吉に勝てないと悟るやなんのためらいも無く降伏し傘下に下り、かと思えば秀吉が病に倒れたと同時に豊臣家を「大坂の陣」で滅亡に追いやり地位を上げていく、というまるで現代社会のような立ち振る舞いをした武将が、徳川家康なんだ。

このようなずるがしこさを、タヌキを使って表した言葉が「タヌキ親父」なんだ。

虎の子

虎の子は「大事にして手放さないもの」「秘蔵っ子」といった意味の造語だよ。虎が自分の子どもを大事に守り、つきっきりで育てる姿から出来た言葉なんだ。

現代ではもともとの意味と同じように、自分の子どもという意味でも使われるけど、お金について話をするときに使われることがほとんどだね。自分が積み上げてきた資産、貯金、へそくりなどを虎の子と呼ぶよ。

例えば「あいつはだいぶ虎の子を貯めこんでいる」とか「虎の子を差し出さなければならない」というような使い方をするんだ。苦しい家計をやりくりすることを「虎の子渡し」と言ったりもするね。

ぬれねずみ

ぬれねずみは「全身ずぶ濡れ」という状態を表す言葉だね。プールに跳びこんで濡れる、などというときには使わず、自分の意志に反して衣服ごとびしょ濡れになってしまったときに使うよ。

使用例を挙げると「傘を持っていないのに急に夕立が降ってきて、ぬれねずみになってしまった」という感じだね。なぜネズミなのか、明確な由来は分かってないけど、おそらくびしょ濡れになったネズミの貧相な雰囲気が、全身ずぶ濡れになった状態を表すのにちょうどよかったのかな。

造語の進化は止まらない

文化の性質上、造語というものが無くなっていくことはないから、これからどのような面白い造語と出会えるか楽しみだね。

造語の関連用語について詳しく知りたいそこのあなた!「【保存版】造語の関連用語まとめ」をご覧ください。

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