造語の作り方~ポーランド語からでも言葉を作ることはできる?

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「造語」は意外と身近?

「造語」とは文字通り「語を造る」こと、つまり、辞書に載っていない言葉や単語を自分で考えて作ることを指している言葉だよね。アスペルガー症候群や統合失調症など、精神的な病気を持つ人には造語症なる症状を併発する人も多いみたい。

造語症では意図的にでなく、無意識にこれまでにない言葉や単語を使い、しかも周りに対して、その言葉を「当然知っているでしょ」という態度を取ってしまうんだって。

周りにもそんな人、いますかね?突然、聞いたことのない独自の言葉を使う人、何を言っているのかよく分からない人がいたら、造語症の可能性大。

いずれにせよ、そんなことをして、さらに「なんであなたは理解できないの?」みたいな態度を取る人がいたら、周りからはちょっと浮いた存在になってしまうよね。

でも、造語症じゃない人たちも、常に新しく言葉を作っているもの。毎年発表される流行語や新語も新しく作られた言葉であり、つまり造語だよね。その言葉が世の中に拡散されて流行したために、流行語大賞にノミネートされ、さらに認知されるようになるわけで。

そこまでのことはしなくても、学生時代に同じクラスの特定の友達にしか通じない言葉を作ったり、使ったりしてたって人はたくさんいるはず。ということで、造語はわりと身近なことと言えるんじゃないかな。

どうやって言葉を作る?

造語法は2つ

新しい言葉や単語を作ることを「造語法」と言って、造語法には大きく2つの方法があるんだよね。1つ目はベースとなるものが全くない所から新しい言葉を考え出す方法、そして2つ目は既に存在する言葉をベースに新しい言葉を作る方法で、一般的には2つ目の方法、つまり既存の言葉をベースに新しい言葉を作ることが多いよね。

全くベースになるものがない所から新しい言葉を作るのは、擬音語や擬態語とかでなければかなり難しいんじゃない?最近の新語や流行語をちょっと思い出してみると、よくわかるよね。

ぴえん

ちょっと前に流行った「ぴえん」は「悲しい」ことを表す言葉だけど、涙を流して「えーん、えーん」と泣いていることから連想して作られているね。

これは「泣く」という既存の言葉をベースに生まれた言葉ではなく、擬音語から新しく生み出された言葉と言えるんじゃないかな。「えーん」という語音の延長線上に、「ぴえん」という音があるわけ。

外国人に「ぴえん」って言っても、説明しなければ意味は全く伝わらないはずだし、日本人だって説明しなければきっとわからないよ。流行に疎い人やお年寄りには、今でも「ぴえん」と言ったところで意味が伝わらないはず。

辞書にも載るようになって、学校やちょっとお固いテレビ番組でも使われるようになったら、造語や新語とは言われなくなって、日本語のひとつとして知られるようになるんだろうね。

既存の言葉を変化させて言葉を作る方法

とはいえ、やはり全くベースのない所から新しい言葉を生み出すよりも、すでに存在する言葉をベースに新しい言葉を作るほうが圧倒的に多いんじゃないかな。既存の言葉をベースに新しい言葉を作る方法には、少なくとも7つのパターンが挙げられるよ。

日本語ではほとんど使うことの無い方法もあるけど、逆に言語によっては、これから挙げる7つ以外に、さらに別の方法もあるかもしれないね。

主要言語と言われるものだけでも世界中に言葉はたくさんあるし、地方語とか民族語なんかを含めたら、すごい数になるんじゃない?今日もどこかで誰かが新しい言葉が生み出しているはず。

では、既存の言葉をベースに新しい言葉を作る7つの方法を、例とともに考えてみよう!

①合成する方法

これが既存の言葉をベースに新しい言葉を作る方法の中でも一番ポピュラーな方法と言えるよね。最近よく聞くようになった合成造語に、「あおり運転」という言葉があるでしょ?これは、「煽る」という言葉と「運転」という言葉を合成して生まれた言葉だよね。

だったら、「蛇行運転」や「居眠り運転」も造語ではないかと思う人もいるかもしれないね。その通り!いつごろ生み出された造語なのかはわからないけれども、もともと別々の言葉だった「蛇行」や「居眠り」と「運転」が、合成された時点で造語(新語)になったわけ。

長く使われて一般的に周知したために、新鮮さが無くなっているだけと言えるよね。

②混合する方法

この方法もよく使われているよ。前の合成する方法との違いは、2つの言葉をくっつける時に、単語を短くしたり、言い換えたりしている点かな。これも例を挙げると、ちょっと前に大流行した、「タピオカミルクティー」を飲むこと=「タピる」なんて言い方があるよね。

この言葉は混合方式によって生み出された造語で、「タピオカミルクティー」の「タピ」と、「食べる」の「る」をくっつけて作られているよ。そのまま言葉をくっつけたのでは長すぎるから、それぞれの言葉を短くして混合することでできた言葉だよね。

私たちも、学校の友達や職場の同僚たち、家族や恋人なんかと話す時に、①の合成や②の混合の方法で作った造語を使うことがよくあるはず。

ちなみに、我が家ではお風呂に入ることを「シャワる」と言いますよ。お察しの通り、「シャワー」と「お風呂に入る」を混合した造語ね。

③借用する方法

これも、言葉を作るのによく使われる方法。特に、国際語とも言われ、世界中で最も使用されている英語からの借用語は日本語にもたくさんあるよね。ちょっと難しい英単語でも、使用頻度が高くなったために、多くのの日本人がよく知るようになった英単語なんかもあるし。

例えば、コロナ禍で流行した言葉「クラスター」とか「ソーシャルディスタンス」なんて言葉も英単語だけど、日本の社会の中でも普通に使われるようになって、日本語の一部になっているよね。

このように、日本語の文章やセリフの中に自然とカタカナ表記されている単語は、ほとんどが借用語だと言えるのではないかな。つまり、借用語も造語の一つだと言えるってわけ。ちなみにだけど、日本語の古語や方言からの借用語もあるんですよ。ほとんど見ませんが。

④短縮する方法

これは、長い言葉を短くすることね。借用語つまり長い英単語を、日本語で言いやすくしたり覚えやすくするために、短縮することも多々あるもの。

例を挙げると、セクシャルハラスメントを略した「セクハラ」という言葉などがあるね。今では当たり前のように使っているので意識したことはないかもしれないけれども、初めてセクハラという言葉を聞いた時には、何のことだかさっぱり分からなかった人もたくさんいたはず。初めてセクハラという言葉が日本社会に出て来た時には新しい造語だったわけ。

他の例には、最近の言葉で「サブカル」を挙げることができるかな。サブカルはサブカルチャーを短縮した造語で、メインカルチャーの逆の意味の言葉ね。一般的にメジャーではないもの、一部のマニアに受け入れられているカルチャーのことを指していて、趣味からファッションまで、一部の人が好む趣味趣向をサブカルって言うよね。

⑤文字の形に変換する方法

これは、形が似ているものを文字で表す方法ね。例えば、「S字カーブ」とか「Vネックシャツ」という言葉があるよ。S字カーブは、カーブの形がアルファベットのSの字の形に似ているので、その形を文字で表した言葉ね。

Vネックシャツも同じで、シャツの首周りの形がアルファベットのVのように鋭く見えるため、似ている形のアルファベットで表記した言葉と言えるね。

ちなみに、日本語にも文字表記で作られた言葉があるんだよ。88歳のお祝いを「米寿」のお祝いと言うよね。この「米」という文字が、88の日本語の漢数字表記した八十八を縦から見た形に似ているために、できた言葉だよ。

最近だと文字表記に変換されてできた造語はあまり見当たらないけれど、こんな方法もあることを覚えておいてね。

⑥品詞の変換

これも、最近よく使われている方法で、もともとは名詞だった言葉を動詞のように、逆に動詞の言葉を名詞へと変換して使う方法です。ちょっと前に、「忖度」という言葉が流行ったよね。これは「忖度する」という、動詞として使われていた言葉を名詞化して、「忖度」だけでいろいろなシーンで使えるようにしたわけね。

逆のパターンを例に挙げると、「感染」という名詞を動詞化した、「感染る」という表記を目にしたことがあるんじゃない?漢字で何となく意味を伝えることができるのは日本語の一つの特徴なので、たとえ音がうまく合わなくても、新しい言葉を作りやすいってわけ。小説のタイトルや漫画の中でも、こういう造語をよく見かけるよね。

⑦語を削る

これは「逆成」と呼ばれることもある、日本語にはほとんどない造語法だね。逆成は、言葉を構成する部分に接尾語に似ている部分があれば、それを削って新しい言葉を作るという方法。なので、あまり日本語にはマッチしないんだよね。日本語には、助詞や助動詞以外に接尾語が無いからね。

逆成で言葉を作る方法として、英単語の例で考えてみるね。「編集する」を意味する「edit」という言葉は、もともと「editor」という言葉から派生しているんだよね。editorの最後の部分であるorが接尾語と似ているので、それを削ってしまおうとできた言葉ってわけ。

ポーランド語でも造語できる?試してみよう

以上、造語法にある主な方法を挙げてきたから、これらの方法を使えば、基本的にどの言語でも新しい言葉を作ることは可能なはずだよね。造語なので、本人さえ意味を把握していれば、相手に理解されなくても問題は無く、ルールがあるようで無いとも言えるね。とりあえずで作ってみても、意外と面白いかも。

もちろん、コピーライターのように流行らせたり、覚えてもらったりするために言葉を作るのであれば、ある程度の分かりやすさや馴染みやすさは求められるけど、一般人はそんなことはほとんど意識しなくて良いよね。

ということで、難関言語と言われているポーランド語で造語ができるか、挑戦してみよう!

全くベースが無いところから作るほうが簡単に作れる

造語法では既存の言葉をベースに新しい言葉を作るものと、全くベースになるものが無いところから作るものとあったけど、どの言語でも全くベースの無いところから作るほうが、流行るかどうかは別として簡単だよね。

例えば、ポーランド語で「行う」は「ロビチ」だから、髪を切ることを「チョキビチ」とか、くしゃみをすることを「ハクショビチ」とか言えば、それで造語は完成するわけ。

ではもう一つの造語法、既存の言葉をベースに新しい言葉を作る方法で、先に挙げた7つのやり方を踏まえて、ポーランド語の造語を考えてみない?全てポーランド語で作るのはかなり難しいので、日本語とミックスして作るのもありだね。

合成する方法で作る造語

合成する方法なら、ポーランド語で「子供」は「ヂェツコ」だから、ウザイという日本語と合成して、「ウザイヂェツコ」なんてどうかな?

混合する方法で作る造語

混合する方法では、ポーランド語で「閉める」という動詞の「ザメカチ」と、日本語の「ドアを閉める」という単語を混合して作ってみよう。すると、「ドアカチ」ですかね。

借用する方法で作る造語

借用する方法なら、ポーランド語から言葉を借用すると、自然に新しい言葉を作れるようね。例えば、ポーランド語ではコーヒーのことを「カヴァ」と言うので、これが普通に日本語の中でも使われるようになれば、ポーランド語由来の新語の誕生!

「カヴァ買ってきて」が普通に通じるようになるかも?!

その他の方法で作る造語

他に、短縮する方法や品詞を変換する方法なんかもあるけれども、これは上級者向けになるかな。ポーランド語をまずはしっかりと理解できていないと、短縮も品詞変換もできないからね。

新語メーカーアプリみたいなものがあったら、もっと簡単に新しい言葉を作ることができるね。でも、造語にはルールなんて無いから、別に新語メーカーアプリなんて無くても良いのか。

アプリは造語のパターンを覚えたり、語呂が良かったりリズムの良い言葉造りを覚えるのには向いているけど。

いずれにしても、新しい言語を学ぶ時には自分であれこれ考えて造語しながら楽しむのも良いんじゃないかな。ただし、正式な言葉を覚えないうちに遊びすぎると、変な覚え方をしちゃうので注意しようね!

造語のエンタメ関連の記事をもっと読んでみよう!「これわかったらやばい!造語症のワイ全文造語にチャレンジしてみた」をどうぞ。

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